この前までゴールデンウィークだったはずなのに気がつけば月末。本当に時が経つのは早い。
12月を「師走」と書く。「師匠も忙しく走る」くらい忙しい時期だって話らしい。4月も5月もめちゃくちゃ走りっぱなし、あっちにこっちに車と体を走らせている。
車の走行距離もおかしいペースで伸びているらしい。車の点検してくれた兄ちゃんが言っていた。
この調子だと12月は一体どれくらい忙しくなるんだと戦々恐々としていたが、よくよく考えれば自分はそんな師匠クラスの人間ではないので普段から走り回っていて当然だったと気が付く。一兵卒頑張ります。
そんな忙しく過ごしている今シーズン。「心を亡くす」と書いて「忙しい」と書く。
けども毎日面白く過ごさせてもらっている。なんでそんなことが出来るんだ?となるかもしれません。そんな時のちょっとしたコツをご紹介します。
察知力を身につける
察知力なんて偉そうに書きましたが、そこまで偉そうに語るまでもありません。
結論から書くと「面白そう」「楽しい」を探すアンテナを張っている。ということです。
最近は私事で各中学校へ訪問活動をしている真っ最中。仕事はパパッと終わらせるのであれば、用件だけ伝えて名刺渡してよろしくお願いします。で終わり、選手にも行ってきたぞーって伝えてハイおしまい。です。
スピード・効率重視!なら良いのかもしれませんが、どうせ行くならもっとたくさんいろんなものを持って帰りたい。
基本的には行くまでの道中含めどっかに楽しい、面白そうが転がっていないのか探しています。
選手の学校の様子、授業態度や提出物、学校自体の様子。目立つ生徒や目立たない生徒、先生などいろんな話をして聞き出して、キョロキョロします。
学校ごとに特色もあるし、生徒の様子も違う。移動の道中も看板に目をやり何か話のタネはあるかと探しまわってます。
と言ってももう身についてしまったことではあるのでほぼ無意識にしているくらいになりました。
そして自分で勝手に「良い経験した」とか「良いことを知った」と変換します。
新しいところへ行く際も「知る喜び」「経験する喜び」が先行します。もちろん緊張はするときはしますけど、基本的には面白かった、良い経験したで1日を振り返った時には終わってます。
イメージを先行させる
次にイメージを先行させることです。意味わかんねぇよってなるでしょうが、言うなれば「妄想」「想像」です。
先ほどあげた察知力をフル活用しても「楽しい」「面白そう」が見つからない時もあるかもしれません。個人的にはそんなことはほぼありませんが、さらに楽しくなるように、さらに面白くなるように想像、妄想を膨らませます。
めちゃくちゃ真面目に話している先生が実はカツラだったら面白いのにとか。
移動の道中で登山できるような山を見つけて、秋は紅葉が綺麗だろうなとか。
時間軸を先行させるイメージを作ったり、妄想でイメージを進めて行ったり。極端な例ですけど、「時間が経てばこうなる。」「ああなったら良いのにな。」のようにイメージを持って色々なものを見つめると楽しく過ごせてます。
これも無意識下でやってたりします。本当しょうもないイメージから、成功のヴィジョンを描くようなイメージまで多種多様。
自分事に結びつける力をつける
これが一番大事な力です。
いわゆる「自分に矢印を向ける」ということです。
自分の今やっていること、やりたいこと、やってみたことなどに出会った事象を結びつけて考えることが出来るか出来ないかだと思っています。
極端な言い方ですが、所詮他人は他人なので面白いことや良いことも自分とは無関係なことが多いです。察知力は関係なさそうなことに気がつける力ですが、それを自分に関係あることにしてしまう力がこの力です。
これが出来そうで案外出来ない。が自然と出来ている時もある。
身近なところで言うと、クラスでワイワイ騒いでたら、そのうちの一人が「〇〇うるさい!」と怒られたとする。すると他のワイワイしていた人も自分も静かにしないと怒られると理解し静かになる。
以前練習時にあった現場での話でもある。
平日の練習後にある社会人チームの練習が同じ会場で入っていました。レディースチームの練習とある社会人が入れ替わりで会場を使用する形になっていて、その社会人チームの荷物が更衣室前の廊下に散乱した状態でした。
それを見ても「そういうもの」だと当たり前のように捉えてしまうのか、「こういうことは自分たちはしないでおこう、荷物の整理って大事だ」と捉えるのかで大きく違います。
こういったことを改めて知れたという風に捉えるか、ただの出来事として捉えるかでその日にあった出来事の振り返る内容はだいぶ印象が違って見えます。
今日も少し学んだ、成長した。と終えられるように毎日過ごす。これとても大事。
指導者はこういう力を求められている
私もこんな始めっからポジティブ野郎だった訳ではなく、職業病のようなものでこうなったと言えます。
集まってくれた選手も多種多様、個性も性格もみんなバラバラ。統一させるところももちろん必要だが、それだと金太郎飴のようなチームになってしまう。
個人的には巧いことは必須として、チームにガットゥーゾみたいな闘志爆発みたいな選手がいたり、ベルカンプみたいな変態ボールコントロール野郎がいたり、ネイマールみたいな相手選手の感情逆撫炎上選手がいたり、インザーギみたいにゴール前職人がいたりとチョイスが古いが、個性豊かなチームでいいと思っている。
だからこそ選手の良いところを見つけ、見つめ、活かすにはどうすべきかを考えることが常に自分自身に求めてます。
長いこと選手に関われば関わるほどサッカー以外の部分に選手としての向上するきっかけが転がっているなと思い、いろんなことに目を向け、興味を持ち、アクションを起こし続けた結果今の自分が出来上がったと思います。
別にみんなこうなれと思っているのではなく、以前問題のあった暴力事件を受けて指導者はもっと毎日を面白おかしく過ごす方がいいと思っている。
選手の良いところを見つける、見つけられるようになるだけでも関わり方は変わる。
今向き合っていることや挑んでいることに対して理解もできるし、見守ることだってできる。おそらくそういう余裕がない人が余裕のないことをやるんだと。
強豪校だと色々責任とかプレッシャーもあるんだとは思うけど、だからこそ話すことや相互理解ってめちゃくちゃ大事。選手のことをプレーヤーとしてしか見えてない指導者は少なくとも学生スポーツには関わってはいけないと思う。
こうすればもっと良くなるなぁ、これも出来るようになったらすごいことになるぞ、このプレーが苦手なのはこっちの練習をあまりしてないからやから次こうしよう。みたいに繰り返すだけでも楽しいと思ってます。サッカーだけでなく、日常にも色々繋げて考えて実行するだけで、毎日楽しく過ごせてます。
そんな私の思考回路の一部のご紹介でした。
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