「それなり」では手に入らないもの
ひっさしぶりの投稿、書きたいものがあった時に書く。期限や回数に縛られると本質から逸れてしまうと思う。今回は一生懸命戦った選手たちへ向けた言葉とピッチに立つことが出来なかった、選ばれなかった選手へ向けて、そしてこれからうちを選択してくれる未来の選手たちに向けて。
今回もまた学びの敗退
試合終了の笛が鳴った瞬間、届かなかった1点の重みがピッチに残った。
JFA全日本U-15女子サッカー選手権北信越大会ベスト4。相手は北信越リーグ2位の富山新庄RISE。こちらは北信越リーグ5位として挑んだ一戦だった。
リーグでは1−5、1−7と実力の差をまざまざと見せつけられた中で、後期リーグに関しては1勝もしていない我々は大会2週前にようやくフルメンバーが揃い、万全ではないもののなんとか大会に入ったといった状況だった。初日は相手が合同チームということもあり11−1の大勝を収めるも、緩い試合運びに不安材料は募るばかり。このまま準決勝に当たる相手との試合に入れば決して良いものにならない事は火を見るよりも明らか。初日の間に張り詰めた試合を見せないといけないことを感じすぐさま行動。午後からの1試合を観戦し緊張感のあるPKを観て昨年の経験を持っている選手は胸にくるものを感じたことでしょう。帰りには少し表情が柔らかくも緊張感のあるものになっていました。
二日目の準決勝 富山新庄RISE戦は立ち上がりから優勢に試合を進められずとも粘り強く、過去1の試合の入りを見せてくれました。気迫もあり、緊張も程よく、相手にすんなりとは試合を進めさせないぞという戦いを最終ラインから最前線までが意志を統一させた一つの生き物のように戦うことが出来ていました。
ベンチからも鼓舞の声が飛び、変わって入る選手は何かインパクトを残すために足を動かし、声を張り上げていました。
時間は刻一刻を過ぎ、手に汗握る戦いとはまさにこの事前半とは打って変わったチームの勢いは相手に脅威を与え続けていました。
結果は1-2。前半に2点を先行され、後半は猛追したものの、あと一歩届かなかった。
それでも、この試合で選手たちが見せたものは、スコアだけでは語れない。登録された16人が、最後まで一つのチームとして戦い抜いた。

北信越リーグ2位に挑んだ準決勝
富山新庄RISEは、北信越リーグで2位につける力のあるチーム。ボールを動かす速さ、攻守の切り替え、ゴール前での迫力。どれを取っても、簡単に主導権を渡してくれる相手ではなかった。
こちらはリーグ5位。立場だけを見れば、挑戦者としての一戦だった。
だからこそ、立ち上がりが重要だった。前半から相手の圧力を受けながらも、守備の距離感を合わせ、粘り強く試合に入ろうとした。だが、相手の勢いを完全には止めきれず、前半のうちに2失点。スコアは0-2となった。しかし守備陣系を崩された失点は無く、全てペナルティエリアの外からの失点だった。これは過去2戦の中で得た教訓を活かし、対人での守備面に大きな成長を見せることが出来た彼女たちの一つの成果だった。
しかしながら2失点。この段階で、試合の流れは大きく相手に傾いたように見えた。
それでも、選手たちは下を向かなかった。
前半2失点からの後半に見えた意地
ハーフタイムを挟み、後半のピッチに戻った選手たちの表情は変わっていた。
点差は2点。時間は限られている。相手は格上の実力を持つチーム。状況は決して楽ではない。それでも、ここから崩れるのではなく、もう一度チーム全体で前へ出た。
後半は守備の出足が良くなり、球際での粘りも増した。相手に自由を与えない場面が増え、奪ったボールを前へ運ぶ回数も出てきた。前半と後半は記録でもわかりやすくシュート数が逆転し、相手陣地での試合になった。
そして、待望の1点。
このゴールで、試合の空気は変わった。ベンチもピッチも一体となり、もう1点を取りにいく姿勢がはっきりと見えた。声をかけ合い、走り直し、最後までゴールを目指し続けた。
前半2失点から猛追も惜敗。その言葉どおり、敗れはしたものの、後半の戦いぶりにはチームの底力が詰まっていた。
16人全員でつないだ80分
この試合で強く残ったのは、16人全員がチームの一部として戦っていたことだ。
ピッチに立つ選手だけが試合を作るわけではない。ベンチからの声、交代で入る準備、仲間を信じて見守る姿勢。その一つひとつが、苦しい時間帯のチームを支えた。
2点を追う展開では、気持ちが切れてもおかしくない。ミスが怖くなり、足が止まり、声が減ってしまうこともある。けれど、この日は違った。
守備では、最後まで体を張った
攻撃では、何度も前を向いた
ベンチでは、仲間を鼓舞する声が絶えなかった
苦しい時間でも、チームの形を崩さなかった
勝利には届かなかった。だが、16人が一つになって戦った事実は、次のステージへつながる大きな財産になる。

敗戦の中で得たもの
1-2という結果は悔しい。ベスト4での敗退は、簡単に受け止められるものではない。
あと1点。あと一歩。あと少しの判断、あと少しの精度、あと少しの強さ。試合後には、選手それぞれの中に多くの思いが残ったはずだ。
それでも、この敗戦には意味がある。
北信越リーグ2位の相手に対し、前半の2失点から後半に立て直し、最後まで試合をあきらめなかった。相手に押し込まれるだけで終わらず、自分たちの時間を作り、ゴールを奪い、最後まで追い詰めた。
これは、偶然ではない。日々の積み重ねがあったからこそ、苦しい場面で踏ん張れた。
勝った試合から得る自信もある。負けた試合だからこそ見える課題もある。この日の経験は、その両方をチームに残した。
振り返ると中3の選手が入団するよりももっと前の4年前、彼女たちは間違いなく北信越で最弱だった、技術もさることながら、精神面があまりにも幼く、そして努力の出来ない、自ら学びを得ようとしない学年でした。それは中1でも変わることなく、過去最弱の年代であることは誰が観てもそう答えるような選手たちだった。
しかし彼女達は唯一無二の武器「真面目さ」を持っていました。教えたことは真面目に取り組む。この当たり前のようでなかなか出来ない武器を3年間試行錯誤の中で身につけ、他県と戦っても遜色なく戦えるところまで成長を遂げてくれた。
昨年の奔放ながらも負けず嫌いのチームと違い、真面目さと反骨心で戦うチームだった。
あえて厳しいことを言うならば本当に努力の水準が低く、「やっている」と声高らかに言うことがこちらの想定を尽く下回っていた。教えられたことはやるが、自分なりの考えを作らずにすぐに答えを求める。この辺りを普段の練習時から毎日少しでも基準を上げながらやれればもっと彼女達はやれたことは間違いない。それくらいのポテンシャルがあった。
こちらも考えを分からずとも簡単には教えず、突き放すようにスタッフに言っても良かったなと今になって後悔。教えられる事待ちの選手は先々どんな環境であれ、自分の立場を危うくさせると思う。
次につながる悔しさ
大会はここで終わった。だが、チームの歩みがここで止まるわけではない。
ベスト4まで勝ち進んだこと。強い相手に真っ向から挑んだこと。2点を追いかける展開で、気持ちを切らさず1点を返したこと。16人全員で最後まで戦い抜いたこと。
そのすべてが、次の練習、次の試合、次の成長につながっていく。
悔しさは、前に進むための力になる。
この1-2を忘れずに、選手たちはまたピッチへ戻る。
胸を張っていい。
そして、もっと強くなれる。
北信越大会ベスト4の舞台で見せた戦いは、確かに次へつながる一戦だった。
「それなり」では手に入らないもの
試合敗退後に彼女達は大粒の涙をこぼした。ピッチにいた者、立てなかった者関係なく我慢していた悔しさを目一杯涙にして流した。
ロッカールームで彼女達に伝えたのは
勝者がいれば必ず敗者がいること。
この大会も最後に笑顔で終えられるのは全国でたった1チームだけだという事。
君たちが誇るべきは今シーズンボロ負けしかしなかった相手を追い詰めた事。
「たられば」があるとするのなら勝利する事だって会場にいた全員があり得ると答えるような試合をできた事。
この全ては君たちの成長を証明する事であり、君たちの強さの証明だという事。
3点差以内負けは全て監督責任だという事。
ベンチにいる選手も、試合に出れなかった選手も必要な選手だった事。
君たちは強いが勝つには足りなかったという事。
胸張って帰れる内容だった事。
聞いてんのか聞いてないのかはわかんない、めっちゃ泣いてたんで。
足りなかったのは大会期間中の行動ではなく、それまでの取り組み方だったと今でも思う。
本気になったんはいつからですか?3年間ずっとでは無いはず、ずっと観てきたからわかる。君たちが本気になって行ったのは差があるけども中2の終盤から中3の夏頃にかけて一人一人の目つきが徐々に変わっていったのを今でも覚えている。しかしそれでも詰めの甘い君たちは普段から適当に物事を進めてカタチだけでこなす悪い癖を最後まで指摘されながら過ごしていた。泣くぐらい一生懸命に取り組んでいたことだからこそ、より一層「質」「精度」「強度」を高めるべきだった。
周りの部活生がゆるゆると部活をし、競技から離れるのを観ている中で羨ましくも感じたり、時にはちゃんとやれよと苛立った時もあるでしょう。でも部活生も部活の中では一生懸命なんです。その基準が、水準が我々に届いてないだけ。サッカーだけ観ても結果が物語っています。男子のリーグはもはや中学部活チームは私立以外かなり厳しい。
君たちは小さな田舎の町クラブ所属の選手。
WE下部クラブやJ下部クラブ、強豪クラブとは違い地元の選手がメインのクラブ。
上位のクラブがすることを我々は努力と工夫で超えないといけない。
「勝ちたい時に勝つ力」それは簡単に手に入るもんじゃない。
手に入れようと努力しても手に出来ない「勝ち」もあるんだ。
君たちのその涙は「ノリ」と「勢い」で流したもんじゃ無いことくらいわかる。
だから悔しかったし、悲しかったんだ。
2年連続ベスト4
君たちが思うほど遠くに「優勝」や「全国大会」あるわけではない。
ハーフタイムに伝えた「ほんの少し」の差が目標に届くための切符だったんだ。
届かなかったけど、良くやったよ。お疲れ様。

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